下顎運動

下顎運動には大きく分けて,咀新,嚥下.発音などの機徒運動と.クレンチング.ク・ラインディングなどいわゆるプラキシズムとよばれる非機能運動がある。

下顎の運動を前頭面でみると.機能運動時.とくに嚼時には,咬頭合位付近への咬
込み.および頭合位からごくわすかな測方運動を催う開口動がみられる。

そのため,早助接融か起こる可能性は咬類嵌合位付近の歯牙接履であろうと考えることができる。
一方.非機能運動時には.頭職合位付近からの個方滑走運動.
ならびに下顎編心位でのグラインディングが起こる可能性があり.早期接独の可能性の範囲は頬舌嵌合位付近まで広がる

臼歯部の補綴物作製に際しては.これらの干渉ないし接触がおこらないように
適切なディスクルージョンを与える必要があるが、咬合面形態を考えるうえでは咀嚼の効率を高めること、側方圧を避ける形態を考慮しなければならない。

同時に犬歯あるいは切歯、犬歯の骨植条件が悪くなった場合にも耐用できるような咬合面形態の付与が必要である。

一方 前歯部の補綴物作成に関しては審美性、発音との兼ね合いを

考慮した前歯切端の位置決め、そして患者が許容できる切歯、犬歯のガイドを与え 臼歯部のディスクルージョンを付与できる舌面形態にする必要がある。

下顎運動と咬合面形態

下顎運動と咬合面形態


全加にわたる補綴を行う症の場合.プロビジョナル・レストレーションによって咬頭合位をとる下位が決まり.前爾誘導が確立され.具体的に攻頭合位における聢合接融が与えられれは.日歯の咬合面の彬態は日すとでき上がってくる.

そして騰方位での大歯によるディスクルージョンも適度に与えられれば.その哽合面形態はとくに間題なく思者に受け人れられると思う.

また少数歯の補綴の場合でも.残存第で臼物籠の
ディスクルージ当ンが得られている症例においては.同様のことかいえると思う-

 

補物に与える咬合の原則
・安定した哽頭嵌合を与える
・前方.側方連動時.日歯部の適切なディスクルージョンを与える


しかし明嚼時の咬頭嵌合位付近での政合十渉を避け.かっ歯牙に対する物方圧を少なくすると同時に,賺嚼効率を高めるような合面形態を付与するためには.下顎運動の原ならびに下顎運動と咬合面形態の関係を解しておくと有利であり.
咬合調整の際にもより効阜的な調整が可能となる,

また.残存歯による日歯部のアイスクルージョンが得られない症厖で.切
歯.大物を修復しない症例の場合には.グループ・ファンクションに近い咬合様式を付与せねばならないので.とくに下顎運動と合面形態の関係を理解しておかなければならない

下顎智歯周囲骨を用いたBoneGraft

前歯部審美領域におけるインプラント治療の成
功のためには,綿密な術前診査が必須である.

果を得るには非常に困難な症例であると診断された
パノラマエックス線所見により,欠損部にインプラントを埋入するためには,
水平的にも垂直的にも顎堤は狭小化しており,staged
approachによる治療計画が妥当であると考えられた.
しかし,思者は骨代替材料を用いない自家骨移植の
みのboneraftを望んだ。

 

下顎智歯周囲骨を用いたBoneGraft


ロ腔領域で自家骨を採取する際に示す部
位がドナーとして用いられるが,上顎の供給側に関
して,骨の採取量には制限があることに加え,術
後の移植骨の吸収も大きい.一方,下顎においては
術後の侵襲は大きく,とくにオトガイ部は骨の採取
に神経麻痺などの合併症も危惧される.したがって,
本症例では患者が望んでいた下顎理伏智歯の抜歯を
行い,これと同時に智歯に隣接している下顎枝前方
の骨片を採取し,上顎の欠損部に移植した
8か月の治癒期間の後,インプラントを理人した。

MIの概念

MIの概念がう蝕治療に取り上げられて久しい咋今では,このコンセプトを幅広
く踏襲しようという試みが提唱されてきた.とくに国内では,2004年12月に発足した日本顕微鏡歯科学会の活動がその礎となり,MIと拡大視野下の治療
の優位性が,う蝕・修復治療,根管治療,そして歯周形成外科の分野で,より活発に議論されてきた.
そして,211年には,歯科CT撮影との併用により,手術用顕微鏡を用いた一部の根管治療と,歯根端切除手術が先進医療の一つとして保険導入され,現在,
その運用かされている.このことは,国内における手術用顕微鏡治療の画期的な成果の1つであり,れまで以上に拡大視野下の歯科治療の有用性が知ら
れる契機となったことは,純枠に歓迎すべき潮流であろう.


一方で,Mーでも侵襲のないアプローチ(経過観察)
をもつう蝕治療とは異なり,形成外科手術には多少なりとも外科的侵襲をともなう.よって「0」を含むMーとの区男リのために,最小限の手術侵襲と称するがふさわしいかもしれない.

具体的には,外科的侵襲を抑えなから
術野の血流を十分に確保し,生物学的,審美的にも
満足しうる治療結果を達成しようとする試みがM
の趣旨とされている。
近年,従来では手術侵襲の大きいとされるbone
graftや,難易度の高いインプラント治療においても
MISが適応されるようになった4.患者の負担を軽
減し,さらには審美的な治療結果を提供することは,
患者主導型の治療方法を目指す良き選択と言えるが,
その一方で,術式の習得は一日にして成就するもの
ではなく,併せて術者には高次元の学際治療のセン
スカー求められる
したがって,本稿では,マイクロスコープ視野下
にて行われたインプラント治療を取り上げ,MISに
よって患者の満足が得られる。

GBRにおける一次治癒達成のために

GBRにおける一次治癒達成のために

一次治癒達成のために,テンションフリーで歯肉
弁断端どうしの正確な一次接合の縫合を行う必要が
ある.そのためにまず切開からひも解くことが重
要である.


・切開
一次治癒達成のため,
そのファーストステップとしての切開は,粘膜に対し90。の鋭利な切開を行う
ことが肝要であり,マイクロサージェリー用のメスは鋭利な切開に有利である
拡大下では細部まで見えるため,組織に対して器具操作の1つひと
つが自然とていねいになっていくことを臨床上経験
する.歯肉弁形成の際,メスのコントロールやフラップの取り扱いも自然に繊細に行うようになる.

減張切開においては,1本の切開線で骨膜に切開
するが,マイクロスコープ下では,実際にどの部分
が切開でき、どの部分が切開部族であるかを影のない
明るい視野が確保されるのではっきりと把握できる

 

歯肉弁の固定のための縫合

歯肉弁どうしが所定の位置で動かないように留め
ておくための縫合で,埋没型の垂直マットレス縫合
が用いられる.糸のサイズは太いもの(5程度)を
用い,縫合線から離れた位置に縫合針を刺人,刺出
する.そのような場合,筆者は通常ePTFEの縫合糸
を選択している.理由として,同糸がモノフィラメント
で増締め可能であり,テンションコントロールを
行いやすいことが挙げられる.1重-1重縫合の後,
糸両端を徐々に引っ張り,弁両端が接する程度まで
増締めを行い,その時点でさらに1重結節をつくる
ため,1重重重縫合となる.本縫合は弱拡大
で行うことから3~4倍程度のルーべを使用するこ
ともしばしばある。

 

弁断端を接合するための縫合
術後に創裂開を引き起こさないようにするために
は,テンションフリーで歯肉弁断端どうしを正確に
接合するための縫合で,断続縫合が用いられる.

縫合線近くの組織に可及的にダメージを加えないよう
にするため,糸のサイズは細いものを用いる.

糸の張力と組織損傷に関する研究で7-0の細い縫合糸を適切に
扱うためには,手指感覚よりも視覚的なコントロー
ルが要求されると述べており,この種の縫合は10
倍程度の拡大下で行うほうが適切に行えると考えら
れる.よってマイクロスコープを使用し,拡大下で弁断端どうしがちょうど接合
するのを視認しながら縫合するようにしている