MTA apical plugなどのさまざまな根管形態への充填テクニック

「MTA apical plugなどのさまざまな根管形態への充填テクニック」の本を読みました。

 

内容は

根管充填は根管内の化学的・機械的拡大清掃が終了し、術前の臨床症状などがすべて消失した後、根尖性歯周炎の治療や予防を目的として行われ

根管内と根尖周囲組織との断絶が図られる。

MTAは逆根管充填材料や穿孔封鎖材料として開発されたものであるが、直接覆髄やアペキシフィケーションなどのも有効であることが示された。

 

根管充填材料が具備すべき条件

・操作性が良好であること

・側方 根尖方向へ封鎖できること

・収縮しないこと

・溶解しないこと

・抗菌作用があるか、細菌の増殖を助長しないこと

・良好なエックス線不透過性があること

・歯質を変色させないこと

・根尖歯周組織へ為害性がないこと

・必要があれば簡単に除去できること

・滅菌されているか、もしくは使用前にすばやく簡単に滅菌できること

 

 

MTAを用いた根管充填は根尖が大きく開いている症例にがったガッタパーチャーとシーラーを用いる代わりにMTAを使用して 大きく開いた根尖部にMTAによるバリアーを形成し根尖部を封鎖する術式である。

 

MTA根管充填の主な適応症例

・歯髄壊死をともなう根未完成歯

・外部吸収や機械的拡大操作で根尖が破壊されている根完成歯

・根管内に穿孔がある永久歯

・穿孔を起こしている内部吸収症例

・樋状根管や扁平な幅広い根管など

などを学びました。

臨床に生かしたいと思います。

 

 

 

エンド ペリオ×再生療法

「エンド ペリオ×再生療法」の本を読みました。

内容は

エンドペリオの病態の把握

分類と歯根膜喪失量

 

エンドペリオの症例で歯内療法を優先するのは

「エンド ペリオ病変では歯根膜が残存するエンド病変内までポケットが連続しており歯周治療を先行するとエンド病変内に残存する歯根膜を損傷するリスクが有るから」である。

 

明らかに歯石が存在する部位には 歯周病の進行による歯根膜喪失の拡大を防ぐためにもそうきゅうに歯周治療を行うべきである。

 

エンド ペリオ病変は「エンド病変」と「ペリオ病変」から成り立ち、その境界を意識しながら治療を進めることが重要

術前では病態の鑑別ができないことが多い。エックス線検査と歯周組織検査を頼りに処置に対する生体の反応を観察しながら治療と診断が同時並行で進んでいく。

エックス線写真はエンド ペリオ病変の病態把握に必要であるが

それのみで残存歯根膜レベルを推測することは危険であり、歯内療法後の待機診断を行うことで初めて歯根膜喪失の範囲が明らかになる。

 

歯内療法終了後に根尖病巣が残存する場合も難治性歯内疾患が関与するか否かで外科的歯内療法か歯周組織再生療法か次の一手がかわってくる。

その判断には 患歯がエンド ペリオ病変成立に至った経過を知っておく必要がある。

 

ということを学びました。

臨床に生かしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

経過観察時に上部構造に生じる補綴関連の問題事象とその対策

 

 

 

 

 

 

 

「経過観察時に上部構造に生じる補綴関連の問題事象とその対策」を読んで 以下のことを学びました。

 

・前装材料のチッピングや上部構造自体の破折

単独歯欠損修復では5年間の累積発生率が6.5%に対して部分欠損修復では

22パーセント、フルアーチの補綴装置に至っては34パーセントと非常に高い

チッピングを起こす原因は機械的要因と患者要因に分かれる。

機械的要因は

インプラントポジション

前装材料自体の厚みやアクセスホール周囲の厚み不足

前装素材の種類

フレームワークデザイン

咬合様式や対合歯の状態

が上げられる。

 

患者要因としては

咬合力やパラファンクションが上げられる。

 

補綴装置に関連する問題事項の一覧

固定式インプラント補綴装置に関するもの

人工歯の破折

アクセスポールの封鎖材料の脱離

人口歯の摩耗

ポーセレンの破折

など

 

スクリューの緩みと破折

上部構造のスクリューの緩みや破折も少なくない。連結スクリューに緩みが生じた場合 上部構造に動揺をきたす。骨吸収を伴わない周囲組織の炎症が確認された場合は スクリューの緩みを疑う。

コンタクトロス

コンタクトロスとはインプラント上部構造と隣接する天然歯との接触を喪失したじょうたいである。発生部位は上部構造の近心側が多く、発生頻度も高い。

天然歯は歯冠が近心側 歯根が遠心測に位置するため経年的に近心移動する一方でオッセオインテグレーションしているインプラントは移動しないためと言われている。

コンタクトロスの存在により食片圧入があり患者さんが不満を訴える場合は

隣在歯とのコンタクトを適切に回復する必要がある。

 

人工歯の摩耗や破折

近年ではジルコニアフレームが主流となっているため破折の頻度は低下していくと考えられる。

今回は経過観察時に上部構造に生じる補綴関連の問題事項とその対策について勉強しました。