歯周病の診断基準

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯周病学会から出されている
「歯周病患者における再生治療のガイドライン」を読んでいます。

 

歯周病の診断基準

歯周炎の進行に伴う歯周組織の欠損は、臨床的にはアタッチメントロス、プロービングデプスの増加、 エックス線写真上の骨量減少として表れる。この欠損に対する再生治療の目標は、喪失した歯周組織が以 前と同様の組織で再構築し機能させることであり、具体的には歯槽骨、セメント質および歯根膜などの失 われた歯周組織を再生させることである。  歯周組織再生治療後の評価は、実施した再生治療の成否を歯科医師自らが判断するため、また患者に対 してモチベーションを維持させるための重要な資料となり得る。  本邦において歯周組織再生治療による歯周組織の再生を日常診療で評価する基準は定められていない が、2011年に厚生労働省より発出された「歯周組織治療用細胞シートに関する評価指標 」には、歯周 組織破壊を伴う歯周疾患(歯周炎)等の治療を目的として適用される歯周組織治療用細胞シートを用い た歯周組織再生治療の有効性に関する評価指標が示されている。また、1996年に発行された「Consensus Report Periodontal Regeneration Around Natural Teeth3)」では臨床的評価に関する推奨事項が合意さ れており、その内容は「歯周組織治療用細胞シートに関する評価指標」でも参考にされ、網羅されている。  以上のことから、本邦において歯周組織再生治療による歯周組織の再生を日常診療で評価する場合には、 厚生労働省より発出された「歯周組織治療用細胞シートに関する評価指標」を参考にすることを推奨する。

 

測定項目

アメリカ歯周病学会のコンセンサスレポートなどを参考にする。歯周組織再生治療の目標は歯周組織付 着器官を再生させることであり、臨床的には、骨欠損がどれだけ新生骨で満たされたか、あるいは、臨床 的アタッチメントの獲得がどれだけ認められたかを評価する必要がある。ただし、通常行われる組織付着 療法においても上皮性付着を含む臨床的アタッチメントの獲得が認められるため、歯槽骨レベルの改善を 主要な評価項目に設定して対照群と比較することが推奨される。