糖尿病に合併した高血圧は大血管症のリスクファクターか?

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本糖尿病学会から出されている
「糖尿病診療ガイドライン2019」を読んでいます。

 

糖尿病に合併した高血圧は大血管症のリスクファクターか?

糖尿病と高血圧は いづれも動脈硬化による血管疾患の確立したリスクファクターであり、糖尿病に高血圧が合併すると大血管疾患の発症頻度が増加し、予後が悪化する。

国内外の疫学研究から糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて高血圧患者でも糖尿病の頻度は非高血圧に比べて高いことが報告されている。また1型糖尿病および2型糖尿病で高血圧が合併すると大血管疾患症および死亡のリスクが上昇することが支持されている。MRFITはアメリカ男性34万人をへいきん12年間追跡した観察研究であるが大血管疾患死亡率は糖尿病群に比べて3,7倍高く 糖尿病症例で脂肪値、喫煙などと独立して追跡開始時の収縮期血圧は大血管疾患死の有害な予知要因であった。日本のデターは日本の一般住民を対象としたコホート研究であるが 追跡開始時の糖尿病者では血圧値が高いほど 大血管疾患死の絶対的リスクが増加することを報告している。日本人コホートを含む環太平洋の39万人を解析したmetaアナリスであるが 糖尿病症例では上昇するに伴い大血管疾患死亡は18%増加することが示されている。2型糖尿病における高血圧症例を非厳格昇圧療法と厳格降圧療法に割り付け平均10,5年間追跡した介入研究であるが、大血管および毛細血管症の発生率は追跡完了までの上昇とともに増加し、優位に増加することが明らかになっている。

 

糖尿病に合併した高血圧は細小血管症のリスクファクターか?

糖尿病に合併した高血圧は糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など細小血管症のリスクファクターである。高血圧が糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など細小血管症のリスクファクターとなることが1型糖尿病、2型糖尿病ともに報告されている。

高血圧は糖尿病神経障害の危険要因であることが知られている。