インプラントの画像診断ガイドライン

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

今日はNPO 法人日本歯科放射線学会から発表されている
「インプラントの画像診断ガイドライン」を勉強しました。

ガイドラインに書かれている大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

☆インプラントの診療における画像検査時期と推奨される撮影法☆
・初診時:
パノラマ X 線撮影  口内法 X 線撮影

・術前画像検査:
ステントを用いた口内法 X 線撮影 パノラマ X 線撮影  断層撮影
CT(MDCT・SDCT) CBCT (MRI)

・1次手術終了時から2次手術直前:
原則として撮影は行わない

・2次手術終了時: 口内法 X 線撮影(平行法)
・経過観察時: 口内法 X 線撮影(平行法)
・緊急時・事故時: 必要に応じた適切な撮影法を選択

インプラント埋入術前に必要なレントゲン

・ 術前に必要とされる情報のうち,単純 X 線撮影で評価可能なのは,
残存歯槽骨高さ,骨 形態,病変の存在,
解剖構造の位置(上顎洞、下顎管、オトガイ孔,切歯管等)などで ある。

・ パノラマ X 線撮影では,固有の拡大率により周囲解剖構造の位置把握の精度は
低くなるが、参照体を用いることにより CTとの差は少なくなるがCT画像での
診断は必ず必要である。

・ 断層撮影は、欧米のガイドラインで顎骨の横断像を得る方法として推奨されている
従来型断層撮影装置とパノラマ X 線撮影装置に断層機能を付加した装置によるものと大別できる。

適切な断層面の設定が重要であり、多数のインプラントの埋入が計画されている場合には、
個々の計画部位に断層面を合わせる必要があるために、検査時間を要する。

しかしながら、少数歯欠損の検査の場合には被曝線量は少ない。

この画像の寸法精度は高く、
また細かい骨梁構造を観察できることが報告されている。

・ デジタル撮影法は通常のフィルム法より、精度及び正確度が高い。

・ 高度顎堤吸収を伴う患者の下顎前歯部インプラントの辺縁歯槽骨吸収評価では、
口内法 X 線撮影とパノラマ X 線撮影との差は少ない。

一門一答
Qインプラント診断における CT 検査の測定精度は十分か? また適切な撮影条件はなにか?

要約:インプラント術前診断における MDCT(SDCT を含む)や
CBCT を使用した距 離計測は、臨床的に十分な測定精度を有している。

ただし、適切な撮影条件について明確な根拠に基づいたものはなく、
専門家の意見にとどまる。なお、撮影時にガントリーは傾けるべきではない。

・ インプラント診断のための最適な撮影条件を規定しうる因子は多岐にわたり、ガイドラ
インとして特定の条件をベストとして提案することは難しい。このため、使用機種の特
性を熟知し、最小限の被曝線量で診断に必要十分な画質を得られる条件を設定できるような、
歯科放射線分野の専門家が必要である

CTによる骨質評価について

Q: 骨質・骨密度は CT検査でわかるのか? またそれらは予後と関連あるのか?

A
インプラントの予後を推定するために骨質を評価するにあたり、CT値を
その指標とすることには明確な根拠はない。

EU のガイドラインには、「診療医は次の項目についての情報を必要とする」として
次の 記述がある。

①骨の質と骨の量、
②残存骨の頬舌幅と高さ、
③骨外形の傾き、
④骨のアンダーカットの存在、
⑤非典型的な解剖構造(たとえば大きな骨髄腔)、
⑥病変の存在、
⑦特定の解剖構造の正確な位置(たとえば上顎洞、下顎管、オトガイ孔)。

この中で、ボリュームデータによる MPR 画像などで三次元的な画像表示を行えば、① の骨の質(骨質)以外の評価は容易である。

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