ワルファリン投与により生じる抗凝固効果には大きな個人差が存在し

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本口腔外科学会から出ている
「 抗血栓療法患者の抜歯のガイドライン」 を読んで勉強しています。
ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

 

出血の定義  

術中出血:手術中の出血  術後出血:止血処置が終了した後に再度出血したもの 遅発性出血は抜歯おおむね数日後(a few days)に出血したもの

 

未分画ヘパリン,低分子ヘパリン追加5, 6)  未分画ヘパリンは分子量5,000~20,000の異なった分子量の物質の集合体である.未分画ヘ パリン自体は抗凝固活性を示さず,血漿中の生理的凝固阻止因子であるアンチトロンビンⅢ(AT Ⅲ)を介して血液凝固系を抑制する.未分画ヘパリンの投与法には静注法と皮下注法があり,モ ニタリングとして活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定して,健常者コントロー ルの1.5 ~2.5倍になるように量を調整する.  低分子ヘパリンは未分画ヘパリンの出血性副作用低減のため開発された薬剤である.低分子ヘ パリンは均一な分子量5,000前後の物質で,第十因子(Xa)あるいはカリクレインに対して阻 害作用をもつ.Xa活性からみた半減期も未分画ヘパリンに比べて2~3倍長く,皮下注投与で の吸収率は非常に高く,活性持続時間は16時間前後とされ,欧米では低分子ヘパリンが血栓症の治療および予防薬として使用されている.

ワルファリン投与により生じる抗凝固効果には大きな個人差が存在し,日本人におけるINRの目標値 を2前後にコントロールするためのワルファリンの維持投与量は,患者間で10 倍以上も異なり,特に初 期投与量の設定が臨床上困難となる.また,ワルファリンの平均投与量は,白人やアフリカ系アメリカ 人に比較して日本人や中国人などのアジア人では少なく,人種差の存在も報告されている追加7, 追加8).  したがって,欧米のワルファリン投与患者における抜歯時の管理基準では,INR値≦ 3.5(また は≦ 4.0)であれば,ワルファリンを継続して抜歯を行うと報告されているが,この基準が日本人 にも当てはまるか否かを検討する必要があ