根尖病巣を有する根管充填歯根管の微生物

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

「Microorganisms from canals of root-filled teeth with periapical lesions」
根尖病巣を有する根管充填歯根管の微生物

根管治療の論文を読みました。

学んだ内容

目的・本研究の目的は、

根管治療を失数した歯の根管内の微生物相を同定し、さまざな微生物種の臨床的特徴と
の関連を明らかにすることであった。

方法・根失病変が持続して認められた根管充填歯60歯が、本研究対象として選択された。

非外科的再根管治療において、 根管充填材は取り除かれ、そして根管から、サンプル抽出を行った。

嫌気性菌種を採取するための先進的な微生物学的技法を用いて、
微生物のサンプリング、 単誰、そして微生物種の同定が実施された。

臨床的な特徴と微生物学的な所見の関係が検索された。
結果・微生物は51歯から回収された。

ほとんどの症例において、 根管ごとに1種あるいは2種の細菌泊が認めら
れた。 単離された微生物種のうち57. 4%が、 通性嫌気性菌で あり、
そして 83. 3%がグラム陽性菌だった。

偏性嫌気性菌は、 細菌種の42. 6%を占め、そしてもっともよく単離された細菌の種類は peptostreptococcusで、
その細菌種は臨 床症状と関連していた(P<0. 01)。 統計学的に有意な関係は、 (a)痛みあるいは痛みの既往歴と複数菌感染あるいは好気性菌との間(P<0. 05)に、 ( b)打診痛と細菌 p intermedia p nigrescensとの間(P<0. 05)に、 (c)瘻孔と Streptococcus spp (P く0. 001) あるいはActinomyces sppとの間(P <0. 01)に、 そして(d)歯冠部が封鎖されていない歯とStreptococcus spp (P<0. 01) あるいはCandida sppとの間(P <0. 01)に認められた。 結論 根管治療失敗後の根管内の微生物相は、主に少数のグラム陽性の細菌種に限られていた。 通性嫌気性菌、とくにE faecalis が、もっともよく単離された細菌であったが、 複数菌感染および偏性嫌気性菌は、 臨床症状のある根管充填歯の根管にしばしば認められた。