歯の喪失リスクの減少と、それがもたらしているもの

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
予防・メンテナンスの資料を読んでいます。

 

来院患者の初診時の状況から見える う蝕 歯周病

長期間にわたって う蝕、歯周病をマネジメントしていくためには、それぞれの疾患の有病率や発症、進行のしかたについては知っておく必要がある。現状ではう蝕病変は13歳ごろから発生ベースが上がる。歯周組織の状況は50歳を境に急激に悪化し、現在歯数も目立って減少していく傾向にある。来院患者のなかには、当院に来院する前にも他医院でメンテナンスを受けていた患者もいるが、多くがメインテナンスを受けていなかった患者である。とくに高齢者では、系統だった歯周治療を受けたことがない患者がほとんどである。

人々の口腔内の状態はかつてより改善していると考えられるが、実際はどうであろうか。う蝕は若年層で減少しているが、長い時間軸で見ると大した変化は見られない。高齢期における喪失歯数の減少によると考えられる。歯周炎に関しても重度歯周炎の患者が減少傾向にある。小児に見られるような低う蝕状態が生涯にわたって継続するという仮定がおそらく誤りであろうこと、平均寿命が長くなっていく一方で損失歯数が減少していくことにより歯周疾患の影響がおおきくなっていくであろうことを示唆している。

この状況を見れば、適切なう蝕マネジメント 歯肉縁下のマイクロバイオームのコントロールが持続的に行われていない歯科医療では100年以上の人生が予測される人々の口腔のを維持していくことは非常に難しいことが想像できる。不可逆的な変化を起こしてしまう疾患であるからこそ、少しでも早期にメインテナンス下に置くことが重要である。さらに、メインテナンスは長期にわたって持続される必要がある。その根拠は、疾患に関連する細菌が常在細菌の一部であること宿主と常在菌細菌の調和された均衡状態は日常生活の変更によって乱れている可能性がある。メインテナンスでは、バイオフィルム構造を取っているプラークを定期的に歯面から高いレベルで除外するが それ以上に重要なのは日常生活、全身疾患などの情報をできるだけ詳細に収集し、適切なアドバイスを与えることである。人の一生は些細な変化が引き起こすこともありうる。歯科医療はメインテナンスを通じて時間軸を意識しつつ、患者に寄り添っていくことが求められているのである。

歯の喪失リスクの減少と、それがもたらしているもの

う蝕と歯周病は、歯の喪失理由の8割以上を占める主原因である。これらの予防や早期治療が進んできた結果、歯の喪失のリスクは減少し、20本以上の歯を有する者は年々増加していると報告されている。

平均現在歯数が高く維持されることは高齢期の歯科患者の増加をもたらしている。