フッ化物配合歯磨剤の使用に加えて フッ化物配合洗口液で毎日洗口を行うことにより

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯科保存学会から出されている
「う蝕治療ガイドライン」を読んでいます。

 

フッ化物配合歯磨剤の使用に加えて フッ化物配合洗口液で毎日洗口を行うことにより初期活動性根面う蝕を非活動性にすることが可能である。このことは 2編のランダム化比較試験により証明されている。そのうち1編のランダム化比較試験を日常的に称している60歳以上の466人の高齢者をフッ化物洗口による毎日の洗口を行うグループ、フッ化物ジェルを年2回塗布を行うグループの3群にランダムに分けて 4年経過後に活動性の う蝕病変が非活動性になる割合を比較した。0,05%フッ化ナトリウム配合洗口剤による洗口が優位に高いことがわかった。フッ化物配合歯磨剤単独の使用と比べて洗口剤を併用した場合で有意に再石灰化効果が高く、67%の活動性病変が1年後に非活動性に変化したとされている。

また 頬側歯根面に存在する24の活動性病変を対象にした1編のケースシリーズは約0.1%のフッ化物配が配合されたジェルを家庭で日常的に余地入れ歯活動性病変を効率二:再石灰化できることを報告している。すなわち 表面に欠損のない初期活動性病変に対してカスタムトレーを用いて1%フッ化ナトリウムジェルをホームケアとして日常的に適用した場合 2年後には20のうち14病変が非活動性になり また 0,5㎜未満の浅い凹みを生じている活動性病変に対しては表面の滑沢化を行った後にフッ化ナトリウムジェルを日常使用することにより13病変全てが6か月で非活動性に変化している。

さらに 高濃度のフッ化物を配合した歯面剤の使用だけでも初期活動性病変の再石灰化が生じることが2編の論文により示されている。そのうちの1編では5000ppmフッ化ナトリウム配合歯磨剤の毎日の使用で6か月後に薬52%の活動性病変が非活動性になり1100ppmフッ化ナトリウム歯磨剤でも6か月後に52%の活動性病変が非活動性になる。これに加えて研究では対象とした活動性病変を周囲の健全な歯根面より0.5㎜以上の深さの欠損を生じているものと 0.5㎜未満のものに分け 再石灰化した病変の割合は2群間で異なり0.5㎜以上の深さの欠損となっている病変では6か月後の再石灰化率は それぞれ19%と9%であったのに対し、0.5㎜未満の深さの場合はそれぞれ76%と35%であり非活動性に変化しやすいと結論付けられている。